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【知識/制度・実務】玄米・精米の食品表示制度と米DNA検査の関係(前編)

品質管理者が知っておきたい米の表示規制、また米DNA品種判別を活用する場合の注意点についてまとめたいと思います。

表示制度を知ることで無駄な労力とコストを抑えて計画的にDNA検査を活用することができます。

 

目次

1.米の表示制度について

(1)米トレーサビリティ法に基づく表示義務

(2)食品表示基準に基づき必要となる表示

2.米DNA品種判別検査と米表示規制との関係

(1)米品種判別の定性検査で陽性反応だった場合(その他米の混入)、表示法との関係で問題が生じるか

(2)陽性反応が出た後の検査ステップ

3.その他景品表示法等との関係

 

⒈ 米の表示制度について

(1)米トレーサビリティ法に基づく表示義務

米表示は米トレーサビリティ法による表示規制に沿う必要があります。同法は、お米や米加工品に問題が発生した際に流通ルートを速やかに特定するために必要な記録の作成・保存や産地情報の伝達を行うものです。

 対象品目は、米穀(もみ、玄米、精米、破米)、主要食糧に該当するもの(米粉等)、米飯類(おにぎり、赤飯、レトルト米)、米加工品(もち、団子、米菓、清酒、みりん等)です。

 具体的に行わなければならない事項は生産から販売・提供までの各段階を通じ取引等の記録を作成・保存すること、お米の産地情報を取引先や消費者に伝達することの2つです。このうち後者について、事業者間では伝票等又は商品の容器・包装への記載が必要になり、一般消費者向けにも米トレーサビリティ法に基づく産地情報の伝達が必要です。

商品ラベルに産地情報を掲載することや、外食店ではメニューに産地表示が記載されていますが、これは米トレーサビリティ法に基づく表示になります。

留意点

食品表示法に基づく原料原産地情報表示の義務がある玄米・精米・もちは、これまでどおり同法の定めに従い表示する費用があります。産地情報に関しては(両方の法規制の対象となる玄米・精米・もち)、米トレーサビリティ法と食品表示法が規制する内容が重複しています。一方で、品種表示については米トレーサビリティ法による規制はありません。

(2)食品表示基準に基づき必要となる表示

 食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項の規定に基づく食品表示基準によって具体的な表示方法が定められています。このうち米表示については、食品表示基準別表第2の1により米穀(玄米・精米)が対象となる旨定められています。

食品表示基準の米穀に関する事項は「食品表示基準Q&Aについて(平成27年3月30日消食表第140号)の別添 玄米及び精米に関する事項」に分かりやすく記載されています。これによると

① 産地、品種及び産年(以下「産地等」という。)が同一であり、産地等の証明を受けた原料玄米については、「単一原料米」と表示し、その産地等を併記します。

 

② ①に該当しない場合は、「複数原料米」等原料玄米の産地等が同一でないか、又は産地等の全部若しくは一部が証明を受けていない旨を表示し、その産地及び使用割合を併記します。その場合には、国産品及び輸入品の原産国ごとに使用割合の高い順に表示します。(なお、この表示で米トレサ法の求める産地情報の表示を満たしています)

③ もし、原料玄米に産地、品種又は産年について証明(後述の農産物検査)を受けたものがある場合は、証明を受けた項目について②の表示の「原産国名及び使用割合」の次に括弧を付して産地等を使用割合と併せて表示することができます。

④農産物検査において産地の証明を受けていない原料玄米についても、国産・外国産表示ではなく更に細かく都道府県等の表示をしたい場合に、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(平成21年 法律第26号。以下「米トレーサビリティ法」という。)第4条の規定に基づき 伝達される産地を表示することができます。しかし 都道府県名等の産地の表示をする場合は、当該産地の次に括弧を付して「産地未検査」と表示することが必要です。

 

 

     なお「証明」とは、農産物検査法等による産地の証明をいいます。