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【知識/用語説明・制度】担当者が知っておきたい遺伝子組換え作物の知識①(遺伝子組み換え作物とは)

私たちは植物の品種改良によって穀物の収穫量の向上を図り、より美味しくなるよう等、食用部分の品質を高めてきました。
遺伝子組換え作物はこの品種改良を、遺伝子組み換え技術で行い生育した作物のことをいいます。

品種改良はその他に、突然変異の利用、望ましい性質を持つ品種同士の交配(かけ合わせ)と昔から行われてきた方法や、
科学技術が発達した後に出てきたものとして放射線を利用したものなどがあります。
その他、現在ではさらに発達したバイオ技術を用いてゲノム編集といった方法も登場しています。

 

(例)交配

例えば、「おいしいけど病気に弱い」「病気に強いけどおいしくない」の2品種からできたたくさんの個体から目的に近い個体を選び出して、またそうした個体同士を交配することで目的の「おいしくて病気に強い」作物を作り出す

このように整理すると、自然界で起きる突然変異の利用や交配で済むのではないかと思ってしまいますが、突然変異はごくまれに起きる現象ですし、交配をするにしても実現したい能力を持つ品種がその作物種にないこともあります。そのような場合に、バイオ技術を用いて望ましい性質を持つ他生物の遺伝子を変えたい作物に入れることが行われています。その方法の一つが遺伝子組換え技術です。

 

◼️ 遺伝子組換え作物の安全性審査制度 ◼️

実際に植物を育ててみると、思ったように野菜が育たないのが普通ということが分かります。害虫や病気、雑草等で、すぐに穴あきの野菜になり、天候不順できちんとした実に育たないことも普通です。こうした不安定な状況を改善し、より多くの人々に十分な食料をいきわたらせるために、遺伝子組換え作物は大きな役割を果たしています。

一方で、元々あった遺伝子に他生物の遺伝子を導入していますので、食べても大丈夫か、他の生物に影響を与えないか懸念も出されています。この点で日本では、政府が遺伝子組換え作物の安全性を科学的判断に基づいて評価し、審査を通過したもののみが流通しています。現在安全性が承認された食品は、じゃがいも10品種、大豆28品種、てんさい3品種、とうもろこし206品種、なたね22品種、わた48品種、アルファルファ5品種、パパイヤ1品種があります(みなし品種除く)。

 

◼️ 食品表示制度 ◼️

さらに、流通しているものが遺伝子組換えであるかどうか、その作物がどこで作られ、どのような経路で販売されているか確認すること(トレーサビリティ)や、科学的手法による確認(行政による検査や輸入会社など大豆関係者の自主的検査)により、消費者が遺伝子組換え大豆か、遺伝子組換えでない大豆かを正しい情報に基づき選択できるようになっています。

 

◼️ 雑感 ◼️

科学技術は社会を進歩させるという考えに立つこともできれば、同じ事象でも視点を変えることで全く逆の見方になる場合もあります。
消費者が正確な情報を手に入れ、長所と短所双方の側面を質的量的に正しく評価(専門家の意見を参考に)できることが重要です。その上で、私たちは他人任せではなく自由意志に基づいたバランス感のある選択が求められていると考えます。